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気になる医療関連記事

男女産み分けと遺伝的病期

1.性の決定

生き物は種族保存の法則により、子孫を残し命を繋ぎます。

それは父と母の遺伝子を半分ずつ合体させた子供となります。この遺伝子の合体の際に男の子か女の子かが決まります。

男の子か女の子かを決定する遺伝子は父にしかありません。母は男の子か女の子かを決める遺伝子はないのです。

なので、仮に男の子が欲しい家族がって、女の子ばかり産んでしまうからといって、お母さんが責任を感じる必要はありません。そこで、まずどのようにして男女が決定されるのかを解説していきます。

よく遺伝子という言葉を耳にすると思います。DNAと聞く方もいるでしょう。遺伝子の物質的本体がDNAと呼ばれます。体を構成する情報がプログラムされています。

ヒトの体には、その遺伝情報を格納する染色体と呼ばれるものがあります。例えていうと、DNAがファイルで染色体がフォルダにあたるのではないかと思います。

ヒトの染色体は常染色体22対(ペア)44個と、性染色体1対(ペア)2個、計46個の染色体があります。男の子と女の子が決定されるのは、1ペア2個の性染色体の組み合わせで決まります。

男の子、女の子の決定権は精子にあります。つまりお父さんです。お父さんのX染色体を持つ精子が、お母さんの卵子(X)と受精すれば性染色体はXX(女性)となります。

お父さんのY染色体を持つ精子がお母さんの卵子(X)と受精すればXY(男性)となります。

性染色体遺伝のイラスト

もし男の子が欲しかったら、お父さんが頑張ってY染色体を沢山製造して頂かないといけませんね。どう頑張ったらY染色体が沢山製造されるのかは、現在の医学では解明されていません。


2.性染色体:遺伝的な病期

性の選択が可能になれば、血友病、筋ジストロフィー、赤緑色盲などの劣性伴性遺伝病に臨床応用できます。

なぜ、性の選択でこれらの病気に対応できるのか。それは、男子のみに発現することにヒントがあります。

性染色体は1対、XX=女、XY=男となりましたね。女子はX染色体を2個保有していますが、男子は1個しかありません。

X染色体に異常があった場合、女子はもう一つ(ペア)の正常のX染色体で悪い部分を補えるのですが、男子はX染色体が1つしかない(ペアルックじゃない)ので、もし悪い部分があったら補えないので発現してしまいます。

これが伴性劣性遺伝の正体です。同じ親から産まれてくる男の子だけ病気が発現するのは、このような理由があったのです。

ただ、女の子だったから終わりではありません。隔世遺伝もありえます。つまり、女の子がお母さんになり男の子が生まれると、50%の確率で病気が発現してしまいます。


3.常染色体:ダウン症候群

ダウン症は遺伝ではありませんが、常染色体の分離(減数分裂)に不具合などがあった場合に発現します。ダウン症は、常染色体22ペアの21番目の染色体が1本過剰にもつ21トリソミーです。

ペアとは、お父さんの染色体とお母さんの染色体1本ずつが対で並んでいる状態ですが、トリソミーとは常染色体が本来2本のところが3本存在する状態です。

母親の年齢が進むと発症率が上昇します。20歳代では約2,000回の出産に1回の確率が、40~44歳では100回に1回、45歳以上では45回に1回と高確率になります。


4.男女の産み分け

ヒトにおける男女の産み分け方法は、X、またはY精子の選択受精法、あるいはX,Y精子分別人工受精法が試みられています。

選択受精法は弱酸性環境がX精子を賦活し、逆に弱アルカリ環境がY精子を賦活することを利用したもので、酸性またはアルカリ性容液による膣洗浄や食事療法などにより膣内のpHを変化させようとする試みです。

簡単にいうと、女の子遺伝子持った精子は弱酸性の環境で元気に動き回るので、その環境を作りましょう的な。
男の子遺伝子を持った精子は弱アルカリ性の環境で元気に動き回るので、その環境を作りましょうということです。

その環境作りに、膣内のpHや食事療法などで環境を操作しようとする試みですが、有効な方法とは評価されていません。

精子分別人工受精法は、あらかじめX,Y精子を分画して、これを人工授精する方法ですが、精子生存性、妊孕性を損なうことなくX,Y精子を分画するための手法は限られています。

5.精子と卵子の豆知識

  1. 精子の発生
    精原細胞が精子になるまでには約75日間かかります。またこの精子形成過程が正常に行われるためには、温度が体温より数度低いことが必要です。お玉(精巣)が体外でぶら下がっているのはそのためなんですね。

    幼児期を経て思春期に至ると、精原細胞の一部の精母細胞は、第1回目の成熟分裂(減数分裂)を行い、染色体数を半減して二次精母細胞になります。次いで第2回目の成熟分裂により、二次精母細胞は染色体数が同数の精細胞になります。

    さらに精細胞は成熟、変形して受精能力を備えた精子になります。いのような精子発生の過程は思春期から老年期に至るまで絶えることなく繰り返されます。

  2. 卵子の成熟
    卵原細胞の有糸分裂は出生前にすでに終了していて、出生時には減数分裂の前期にはいっています。卵母細胞は排卵の起こる直前になって、卵胞中で第1回目の減数分裂が完了します。

    ここで第二卵母細胞が細胞質の大部分を受け、1個の第一次極体は消失します。第二次卵母細胞はただちに第2回目の減数分裂を始めますが、排卵後、精子を受精してから卵管内で完了します。

    ここで第二次極体が排出され、受精した卵細胞が発育を始めます。

性染色体遺伝のイラスト

6.まったく同じ遺伝子の子を産むためには

仮に、全く同じ遺伝子の子を産みたいと思ったとしたら、やはり天文学的に不可能という結論に至ります。それは、減数分裂の際に染色体が乗換えと組換えを行い遺伝情報がシャッフルされるためです。

その乗換えと組換えのバリエーションが約100万通りだと言われています。つまり、確率でいえば100万回以上出産すれば、二人は同じ遺伝子の子が産まれる可能性があるという無謀な数字です。

余談ですが、競馬で血統は欠かすことのできないロマンでありデータでもありますが、サンデーサイレンスの最高傑作といわれるディープインパクトも2頭と同じ馬は出ませんでしたね。サイレンススズカという馬も魅力的でしたが。

しかし、ディープインパクトのお兄さんのブラックタイドは、G1を勝てない馬でしたが、その子供のキタサンブラックはG1を何度も勝って名馬になりました。

何が言いたいのかというと、同じ兄弟で成功した子供とそうでない子供がいたとしても、孫の世代だとそれが逆転する可能性も遺伝子の面白いところだということです。

この遺伝子の乗換えと組換えに願いを込めて、新しい命の誕生に期待したいです。ここはヒトの話です。

染色体の乗換え組換えのイラスト