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気になる医療関連記事

脳波・レム睡眠・ノンレム睡眠

ブログで紹介しましたが、睡眠障害に陥った原因がアレだと思い、脳波や睡眠について色々と解説しています。なぜ睡眠障害に陥ったのかは分かりませんが、閉眼安静状態でもアルファ波阻止の状態が継続した状態で続いるようです。

1.脳波(脳電図)

大脳皮質からの自発性の電気活動を頭皮上から導出して増幅記録したものを脳波、あるいは脳電図(EEG)といいます。

脳波記録の電極配置・脳波各種成分のイラスト
  1. 正常脳波
    ヒトの正常な脳波は、その周波数により4つに分類されますが、年齢や、覚醒-睡眠レベルによって優勢に出現する波が大きく変動します。α波は成人の脳波の代表的成分(基礎律動)をなし、閉眼して精神的にも安静状態にあると現れる20~70μVの規則正しい波です。精神作業、注意集中、精神興奮、感覚刺激などによってα波は消失します。これをα波阻止(α-blocking)といいます。

    β波はα波阻止のときに前頭部に目立つ20μVくらいの比較的不規則な波です。β波は目覚めた状態と関係しているので覚醒反応と呼ばれます。θ波50μVくらいの規則正しい波で小児の基礎律動として現れます。δ波100μVくらいの高振幅で現れ、新生児や幼児の基礎律動です。正常成人ではδ波は睡眠時に出現します。

  2. 異常脳波
    • 正常にはみられない波形の脳波
    • 波形が正常でも異常に出現する場合
    両者を併せて異常脳波といい、臨床診断上重要です。安静閉眼時に異常所見が認められなくても、睡眠、過呼吸、痙攣剤、強い閃光刺激によって潜在性あるいは微弱な異常脳波を明らかにすることができます。これを賦活(ふかつ)といいます。正常にみられない波形としては、棘波鋭波徐波棘徐波結合などがあります。

2.覚醒と睡眠

  1. 意識レベル
    ヒトにおける意識の定義はかなりあいまいですが、意識レベルという場合には、覚醒と睡眠、という2つの生理現象に、明らかに異なる2つのレベルを区別することができます。覚醒期は意識レベルが高く、睡眠期は意識がないか、低下しています。したがって、意識レベルの高低を覚醒と睡眠で表現します。
    このような意識レベルの高低は、脳波を記録するとなおはっきりします。覚醒状態でもなにかに注意を集中したり計算をしているとき(興奮)と、目を閉じて無念無想になっているとき(安静)とでは脳波の波形が異なっています。また睡眠といっても、浅いものから深いものまでいくつかの段階に分けられます。このように覚醒と睡眠という2つの意識レベルは脳波によってさらにいくつかの意識レベルに区別することが可能となります。

  2. マグーンの上行性網様体賦活系
    アメリカの脳神経学者マグーンMagounは、脳幹網様体の働きについて、上行性網様体賦活系という概念を提唱しました。脳幹網様体は多シナプス性の伝導路であるうえ、あらゆる感覚情報が高度に収束するため、ここに入った情報からは感覚の種類の違いによる特殊性が失われます。網様体の神経細胞の多くは、どのような感覚刺激によっても興奮します。網様体は感覚について共通の経路となっており、このため非特殊感覚系と呼ばれます。マグーンはここから送り出される非特殊感覚情報は視床の非特殊中継核群で中継された後に大脳皮質連合野へ達し、意識レベルを覚醒の方へ導くと考えました。

  3. マイネルト基底核を含む上行性賦活系
    マグーンの上行性網様体賦活系の概念は約40年間受け入れられてきましたが、最近になって、脳幹網様体からの非特殊感覚情報は非特殊感覚中継核群から直接に新皮質に投射されるのでなく、まず前脳のマイネルトMeynert基底核に送られ、そこから新皮質に達することが推測されるようになりました。
    網様体から直接にマイネルト基底核に至ることも考えられています。マイネルト基底核には広範に新皮質に投射する軸索を持つコリン作動性ニューロンがあり、このニューロンが興奮することにより新皮質ではアセチルコリンが分泌されて、新皮質の脳波を覚醒時のパターンにする、という新しい仕組みが提唱されています。

  4. マイネルト基底核を含む上行性賦活系のイラスト
    ヒトの覚醒状態により深い睡眠状態に至る各段階の脳波パターンのグラフ

  5. ノンレム睡眠とレム睡眠
    睡眠段階を脳波像だけでなく眼球運動、筋電図などを合わせたポリグラフ所見に基づいて判定すると、大きく2つの種類に分けれらます。急速な眼球運動(rapid eye movement)がみられるレム睡眠(REM睡眠)と、ノンレム睡眠(NREM睡眠)です。
    ノンレム睡眠は徐波睡眠(slow wave sleep)とも呼ばれ、4つの段階に分けられます。睡眠が深くなるにつれ、入眠直後の低振幅徐派から高振幅徐波に変化します。したがって、深睡眠は同期化した徐波を特徴とします。

    レム睡眠は高振幅徐波の徐波睡眠に引き続いて現れる比較的低振幅な速波と急速眼球運動によって判別されます。レム睡眠の時期には、閉じている眼瞼の下で眼球がゆっくり回転するような運動や左右に急速に動くような運動が特徴的で、そのためレム睡眠と呼ばれます。他方、この睡眠はよく眠っているにもかかわらず、脳波上は覚醒時と区別が困難な波形を示すために逆説睡眠とも呼ばれます。脳波上でレム睡眠にはいっているヒトが覚醒させられると、たいていの場合、夢をみていたと答えます。徐派睡眠時に覚醒させられてもそのようなことは少ない。したがって、レム睡眠は夢をみることと密接な関係があると考えられています。

  6. 睡眠中の生理機能
    急速眼球運動のほか、睡眠に伴う種々の生理機能の変化があります。特に自律機能では徐波睡眠期に心拍数の減少血圧低下が起こりますが、レム睡眠期には速い呼吸無呼吸を繰り返します。骨格筋の活動は徐波睡眠にはいると減少し始め、レム睡眠にはいると完全に消失します。姿勢維持に関与する筋の緊張が急速に落ちると頭をガクンと垂れるような動きが起こります。

  7. 睡眠のリズム
    成人では1回目の睡眠の持続時間はほぼ8時間で、1日1回、一定の時刻(夜間)に起こります。ほぼ1日を周期として睡眠が起こり、このようなリズムをサーカディアンリズム(概日リズム)と呼びます。しかし、新生児では睡眠の発現にはほぼ1日の周期性はなく、約2~3時間の周期で発現するウルトラジアンリズムがあります。

    成人の夜間睡眠において、徐波睡眠の4段階とそれに続くレム睡眠は平均90分くらいで1サイクルをつくり、一晩の睡眠中で4~6サイクルが出現します。もっと詳しくみると、朝方になるにつれてstage3とstage4が少なくなり、レム睡眠が多くなります。結果として、一晩のレム睡眠は4~6回となります。小児から老人までの年齢を通じてレム睡眠の時間は全睡眠時間の約20~25%を占めますが、新生児、乳幼児では各々50%35%と高い。
ヒトの一回の夜間睡眠における徐波睡眠(ノンレム睡眠)-レム睡眠サイクル