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新しいダイエット

体重減少の現象は、食後の散歩ダイエットです。ここで大切なのは、ダイエットをするつもりもなかった人の体験談という事です。ダイエットは本人の意識が少なからず入るため、食事の摂取を控える行動が働きます。痩せる気がない人はその意識が入らないので、この現象は興味深いといえます。
健康志向のその方の趣味は山登りです。時間の都合で山登りが出来なくなると、夕食後に30分~40分散歩をするようになったのですが、山登りでも減らなかった体重が、食後の散歩だけで減り始めたという現象です。この現象を医学的に関連させ着地させたいと思います。

1.代謝について

私たちは、常にエネルギーを消費して生命活動を行っています。筋肉を使って動作をしているだけでなく、内臓の働き、たとえば、アミノ酸からタンパク質を合成し、熱をつくって体温を維持しています。

そのほか、神経線維を伝導して、小腸から栄養素を吸収し、腎臓では尿を生成します。これらもすべてエネルギーを消費して行われています。

これらの身体の働きに必要なエネルギーは摂取した食べ物から得ています。
食物中の炭水化物(ご飯など)、タンパク質(卵、大豆など)、脂質(お肉など)、という高分子の物質は、低分子の物質に分解されていくときエネルギーを放出するので、私たちの体は、このエネルギーを生命活動に利用します。

このさい、食物の分解による化学エネルギーは、いったん高エネルギーリン酸化合物(ATP,CP)に変えておき、必要に応じてそれを利用します。

このような方法で、人が外部から食べ物を摂取して生命活動を営むことを栄養といい、外部からの食べ物のことを栄養素といいます。

代謝とは語源的には、”変化”を意味します。体の中で栄養素が受ける、すべての化学的変化とエネルギー変換を意味します。

栄養素を最終的に水、二酸化炭素、窒素化合物まで酸化分解してエネルギーを得る過程を異化作用といいます。

このエネルギーを高エネルギーリン酸化合物(アデノシン3リン酸ATP)、クレアチンリン酸CP))の形としてとらえることを同化作用といいます。

また余分なエネルギーを簡単な分子から成る炭水化物、タンパク質、脂肪などの形で生体内に貯蔵する過程も同化作用といいます。


2.生体の栄養素

人体の構成成分については、次のような栄養素を食物の消化吸収によって取り入れて生命活動を行ったり、維持を行っています。

このうち糖質(炭水化物)蛋白質脂質は三大栄養素と呼ばれています。

【糖質】

多糖類(炭水化物)は、グルコース、フルクトース、ガラクトースなどの単糖類として体内に入ります。そのうち、グルコースはエネルギー源としてもっとも重要です。

エネルギーを必要としない場合は、グリコーゲンとして肝臓や筋肉に、または脂肪に変換されて貯蔵されます。

またガラクトースは糖脂質の、リボース(*五炭糖の一種)は核酸の構成成分となっています。
*五炭糖;炭素原子5個よりなる単糖類の総称。


蛋白質

アミノ酸に分解されて体内に入ります。人体の固形成分の50%以上を占め、あらゆる組織・臓器の主成分となります。

また生体内化学反応を触媒する酵素をはじめ、蛋白ホルモン、免疫抗体などの主成分も蛋白質で、種々の重要な機能を営みます。さらに、栄養欠乏時にはエネルギー源になります。


脂質

生体にとって重要な脂質は、中性脂肪(トリグリセリド)、コレステロール、リン脂質、糖脂質などです。中性脂肪は分解されて脂肪酸とグリセロールとなって吸収されます。

脂肪は単位重量当たり糖質・蛋白質の2倍の熱量を産生するので、エネルギー源および、エネルギー貯蔵携帯としてもっとも効率がいいです。

リン脂質、糖脂質は細胞膜、脳・神経の構成成分として重要で、コレステロールはステロイドホルモンの母体にもなります。


ビタミン

酵素作用を発揮させるうえで必要な助酵素の構成成分ですが、生体内で合成できないので、微量ですが、栄養素として摂取しなくてはなりません。各々のビタミンの欠乏には特有の症状が知られています。


無機物

カルシウムは骨の主構成成分と同時に、神経、筋肉等の機能調節、血液凝固などにも関与しています。ナトリウム、カリウム、クロールは体液の保持、酸塩基平衡、細胞膜の興奮など多様な機能を果たします。


3.中間代謝

私たちは普通の生活であれば、1日に3回の食事を行います。消化器系の生理機能とそれに伴う代謝機能は、各々の食事に伴って2つの相に分けられます。

生理機能には、食物の消化に関係して消化期と後消化期。

消化された栄養素の吸収に関係して、吸収期(血糖値を下げる時期)と空腹期(血糖値を上げ維持する時期)が区別されます。

代謝機能については、吸収期は腸管から栄養素が血中にはいりつつある時間帯で、摂食後の約3時間です。吸収に際してのエネルギー源は、摂食により吸収されたばかりのグルコースが主に使われます。アミノ酸やトリグリセリドは、ごく一部がエネルギー源として、残りのグルコースやトリグリセリドは貯蔵脂肪に変換されます。

空腹期は腸管が空になっている時間帯で、午後の遅い時期、夕方、夜間の大部分がこれにあたります。この時のエネルギー源は貯蔵栄養素になります。しかも炭水化物は、たとえつくられてもエネルギー源としての利用は脳に限られ、ほとんど全エネルギーの供給は貯蔵脂肪の酸化によりまかなわれます。脂肪と蛋白質の合成は制限され、全体として貯蔵は減少します。

糖質の中間代謝

グルコースは小腸で吸収され、門脈を経て肝細胞内に入ります。他の単糖類も同様に肝細胞内に入りグルコースに転換されます。ここでグルコースはグリコーゲンに合成されます。一部は筋肉に吸収され貯蔵されます。

またグルコースは肝臓・脂肪組織で脂肪に変換されて貯蔵されます。


蛋白質の中間代謝

蛋白質はアミノ酸に消化分解後、小腸より吸収され、門脈を経て肝臓へいきます。肝臓や、各組織細胞に運ばれ、それぞれ特有(DNAによる)の蛋白質に合成されます。

蛋白合成に利用されなかったアミノ酸は、主として肝臓で糖や脂質の代謝経路に入り、栄養素に変換されたり、酸化分解されエネルギーを発生します。
結果、水と二酸化炭素、窒素化合物ができます。


脂質の中間代謝

小腸内で脂肪酸とグリセロールに分解されて吸収された脂質は、腸管壁粘膜細胞内で再びトリグリセリドに合成され、リポ蛋白におおわれたカイロミクロンとなり、小腸リンパ管、胸管を経て血中に入ります。

ほぼすべてが肝臓や脂肪組織に貯蔵されますが、一部は多くの組織で吸収期にも酸化分解されてエネルギーに使われ、酸化されると水と二酸化炭素ができます。


4.空腹期(血糖値を上げ維持する時期)

この時期の最大の問題は、消化管からのグルコースの吸収がないにもかかわらず、血中のグルコース濃度(血糖値)を維持しなければならないことです。

なぜなら、中枢神経系はグルコース以外の栄養素をエネルギー源として利用できないからです。(絶食時のケトン体を除きます)

脳への適当量のグルコース供給が停止すると、数分のうちに脳障害、昏睡が起こり、そして死に至ります。

なので、この空腹期の代謝機能については、血中グルコース濃度をいかに維持されるかを

  1. グルコースの供給源
  2. グルコースの節約と脂肪利用
について解説していきます。


1.グルコースの供給源

肝臓に貯蔵されているグリコーゲンがまず利用されます。貯蔵量は、吸収期終了時で100g以下です。これは400kcalのエネルギーを供給するにすぎません。

筋肉もほぼ同量のグリコーゲンを持ちますが、グルコースに変換する酵素を欠くので、乳酸やピルビン酸をつくり、これを間接的に肝臓でのグルコース生成の材料に供給します。

脂肪組織からのグリセロールも肝臓でのグルコース生成に役立ちます。

これで足りない場合は、タンパク質分解により得られるアミノ酸が肝臓でのグルコース生成の最大の供給源になります。この最後の段階まで進むと生命が危険な状態です。

ここで、肝臓が行うピルビン酸、乳酸、グリセロール、アミノ酸からのグルコース生成を糖新生といいます。

24時間の絶食をした場合、糖新生により180gのグルコースを新生することができます。この反応は、肝臓のみではなく、腎臓でも起こることが知られています。


2.グルコースの節約と脂肪利用

たとえば肝臓が糖新生を行ったにしても、180g/日のグルコースでは1日に必要なエネルギーを供給できません。生体は、吸収期から空腹期にかけて代謝機能の決定的な調整を行います。

中枢神経系はグルコース使用を続けますが、他の器官はグルコースの利用を停止し、脂肪をエネルギー源として用いるようになります。
肝臓でつくられるグルコースは中枢神経系の使用に供されます。

最初の重要な段階は、脂肪組織におけるトリグリセリドの異化によって起こる脂肪酸の血中への遊離です。脂肪酸は神経系以外のすべての細胞に取り込まれ、エネルギーを生じるとTCA回路(ミトコンドリア内でエネルギーを発生させる)に入ります。

肝臓は、脂肪酸を酸化してケトン体を生じます。長期にわたる絶食や糖尿病などでは、血中にケトン体が遊離し、これはTCA回路により酸化することができる多くの組織(筋肉、腎臓、脳)の重要なエネルギー源になります。

この場合、体液は酸性となります(ケトアシドーシス)。


5.中間代謝の調節

吸収期と空腹期のまったく異なる中間代謝を調節するのは主としてホルモンです。

吸収期(血糖値を下げる時期)にはインスリンが、空腹期(血糖値を上げ維持する時期)にはアドレナリン、グルカゴン、成長ホルモン、甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモンなどが働いてエネルギーの有効利用に努めます。

インスリンはグリコーゲン産生、抗糖新生、抗脂質分解作用を持つエネルギー貯蔵ホルモンです。

グルカゴンはグリコーゲン分解、糖新生および脂質分解作用をもつエネルギー遊離ホルモンです。

食後はインスリンが急激に上昇し、グルカゴンは急激に下降します。


6.インスリン

血液中の生化学的な調節因子として、炭水化物(特にグルコースとフルクトース)、アミノ酸(特にアルジニンとロイシン)、脂肪酸はインスリン放出を刺激します。

インスリンの作用としては

  1. グルコース取り込みの促進
  2. グリコーゲン合成の促進
  3. アミノ酸輸送と蛋白合成の促進
  4. 脂肪分解の抑制
です。


1.グルコース取り込み促進

取り込み増加の結果、グルコース酸化、脂肪合成、グリコーゲン生成が促進されます。吸収期(血糖値を下げる時期)の代謝機能の特徴です。


2.グリコーゲン合成の促進

インスリンは細胞内へのグルコース取り込みを増加させることにより、グリコーゲン合成に関与する酵素の活性を高めることで、グリコーゲン合成を高めます。

3.アミノ酸輸送と蛋白合成の促進

筋肉へのアミノ酸の輸送は、濃度勾配に逆らって行われる能動輸送で、インスリンは筋肉組織での蛋白合成を促進させる結果、アミノ酸の取り込みを促進します。

4.脂肪分解の抑制

脂肪組織へのグルコース輸送促進の結果、脂肪酸とグリセロリン酸の合成が増加し、次いでトリグリセリドの合成が高まります。

同時にホルモン感受性リパーゼ活性を抑制し、トリグリセリドが脂肪酸とグリセロールに分解されるのを抑制することで、脂肪の異化過程を抑制します。


7.エネルギー代謝

私たちは、栄養素を生体内で作り出すエネルギーを直接に測定できないので、栄養素の生体内酸化のために消費した酸素量、排出した二酸化炭素量、窒素量を測定し間接的に推測されます。

生体内で食物の異化により放出されるエネルギー量と、その食物を生体外で燃焼したとき放出されるエネルギー量は等しいので、食物中の3つの栄養素は、生体内でそれぞれ1g当たり、糖質4.1kcal、脂肪9.3kcal、蛋白質4.2kcalのエネルギーを発生します(アトウォーターAtwaterの係数)。

この係数を、摂取した栄養素の量にかければエネルギー産生量を推測できます。

【エネルギー産生量=糖質酸化量x4.1+脂肪酸化量x9.3+蛋白質酸化量x4.2】

生体内で産生放出されるエネルギーは次の4種があります。

  1. 基礎代謝
  2. 睡眠代謝
  3. 労作時の代謝
  4. 特異動的作用

基本的には、産生放出されるエネルギーは、外部になす仕事のエネルギー、熱のエネルギー、貯蔵エネルギーの3つの形に分かれ、エネルギー放出量はこれらの和に等しい。

1.基礎代謝

外部になす仕事がなく、熱平衡が保たれているときのエネルギー放出量を基礎代謝(率)といいます。
完全な精神的・肉体的安静状態で、摂食後12~14時間、20~25°Cの快適な温室のもとで産生放出されるエネルギー量で、覚醒時の生命の維持に必要な最小限の量です。年齢や性、体格やホルモンなど、さまざまな因子の影響を受けますが、体表面積1平方メートル当たり約1,000kcal/日となります。これは体表面積に比例するとされています。

日本人の基礎代謝量は
20歳の男子で約1,500kcal/日
20歳の女子で約1,200kcal/日
です。

2.睡眠代謝

睡眠時のエネルギー代謝量は一般に基礎代謝量より低い。睡眠深度にもよりますが、平均すると基礎代謝の90%に低下します。

3.労作時の代謝

外部に対して仕事をしているとき、骨格筋の運動と共に、心肺とその他の臓器の活動が亢進し、機械エネルギー、電気エネルギー等が発生します。

4.特異動的作用

摂食後、一過性にエネルギー代謝は増加します。これは摂取された栄養素の吸収に要するエネルギーと考えられ、特異動的作用(食べ物を摂取するためのエネルギー)と呼ばれます。

その量は栄養素の種類によっても異なりますが糖質6%、脂質4%、蛋白質30%、残りはエネルギーとして消化吸収されます。日本人では全エネルギー所要量の約10%です。


8.甲状腺ホルモン(サイロキシン)の作用

甲状腺は前頚部にある約30gの臓器で、内分泌腺としては最も大きい。


サイロキシンの生理作用

  1. 基礎代謝率の増加
    サイロキシン分泌が増加すると多くの臓器で代謝が増進し、酸素消費が増します。
    寒冷時ににはサイロキシン分泌が増し、熱産生量が増加します。
    蛋白質代謝の亢進、糖代謝、脂肪代謝も促進され、血中コレステロールは減少し、腸管からの糖吸収が増加します。

  2. 心拍数増加、熱量産生・酸素消費の増加

  3. カテコールアミンとの関係
    サイロキシン分泌亢進のときにみられる心拍数増加や神経系興奮状態はサイロキシンと同時に分泌されるカテコールアミンの作用も関係していると考えられています。

9.まとめ

以上の生理学的な観点からまとめると、食事後の運動(散歩)は、まずインスリンの作用により、血中の糖質や蛋白質、脂肪の吸収を促進させます。かたや筋肉などは運動により糖を消費します。

インスリンは血中の栄養素(糖など)によって分泌されますが、甲状腺ホルモンは、負のフィードバック機構により維持されます。つまり、血中の甲状腺ホルモンが少なくなると甲状腺からホルモンを分泌する仕組みです。

甲状腺ホルモンは血糖値を上げるホルモンでもありますが、トリガーは血糖値ではないので、インスリン作用が働きつつも、軽い運動によって甲状腺ホルモンも刺激され、細胞からグリコーゲンを分解し糖を血液中へ分泌させます。

つまり、細胞へ糖を入れているにもかかわらず、他方糖を出している状態です。

骨格筋線維や赤血球においては、グルコースの吸収は濃度勾配に従って移動しますので、インスリンで血中のグルコースの吸収を促し、骨格筋は筋収縮でグルコースを消費することで、糖の出入りがより促進されていると思われます。

食事と散歩により

  • 骨格筋による熱産生と酸素、糖の消費
  • サイロキシンによる臓器の代謝促進、熱産生と、酸素の消費、糖の吸収増進
  • インスリンによる栄養素の吸収増進。

上記の作用は代謝を亢進させるので

  • 労作時の代謝
  • 基礎代謝の増進
  • 特異動的作用
特に、このトリプルコンボによる合わせ技は代謝を数倍亢進させるのではと考えます。

これが、理論から予測される、食事後の散歩による体重減少の現象ではないのでしょうか。

しかし、食後の激しい運動は好ましくありません。体内の血液量は限界があるので、血液分布によって、最も必要な臓器に血液が集まるようにできています。

食後は内臓に血液が集まります。激しい運動で、筋肉が血液を奪ってしまうと内臓の血液が足りなくなり腸の動きが悪くなります。

食後に走ったりすると、お腹の横が痛くなった経験がある方もいらっしゃると思うんですけど、その現象は血液不足によるものなんです。なので、痛くならない程度の軽い散歩が適度かと思います。

以上、うまく着地できたと思いますが、どうでしょうか(;'∀')。