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身長が伸びる仕組み

身長を伸ばすのに、食べる事・寝る事は大切なことです。特に成長期は代謝も活発で、食べる量、寝る量が多ければ多いほど身長が高くなります。他に、スポーツを見てもバスケットボールやバレーボールの選手が、やけに身長が高いことも気になりませんか。

少しでも身長を伸ばしたい人は生活習慣を変えると、本来伸びるべき身長まで伸びる可能性を引き出します。遺伝病気を除いた医学的な身長の伸ばし方です。骨の成長の仕方やホルモンやカルシウムの関係など、身長が伸びるためにはどのような環境が適しているのかなどを解説しています。

骨が伸びる仕組み

骨には、主要な硬い部分の骨質(緻密骨)、関節面と成長線の部分のみに見られる軟骨質、骨の中心部にある骨髄、骨の表面で骨質を覆う骨膜の4つの部分で構成されています。

骨の解説のイラスト

身長は20歳~23歳くらいまで伸びますが、骨の成長は軟骨質の成長線の部分(骨端軟骨)が増殖することによります。長軸方向へ増殖して長さが長くなっていくと、増殖した下部の軟骨部が骨化していくことで身長が高くなります。

骨端軟骨の増殖と骨化のイラスト

このように軟骨が骨化して成長する骨を、専門的には置換骨といいます。ほとんどの骨がこの様式で成長していきますが、頭蓋骨、下顎骨、鎖骨は別の様式で骨が成長していきます。

骨膜の内側に新しい骨質が作られ、骨の周囲が付加されることで大きくなる様式を付加骨といいます。骨は置換骨と付加骨の様式で成長します。

レントゲンを見る際に注意が必要なのは、軟骨はレントゲンに写らないということです。20歳~23歳までは身長が伸びるということは、成長線が軟骨なのでレントゲンでは透明に写ります。

23歳以降は成長線がすべて骨化して硬くなっているので、レントゲンには成長線のなごりとして残っています。すべてが骨化した後の成長線のことを骨端線と呼びます。

成長期の骨端軟骨はいろいろなホルモンの作用を受けながら増殖していきますが、成長ホルモンの影響を最も受けます。

骨端線の子供と大人を見比べたレントゲン写真

成長ホルモン

成長ホルモンを一度は耳にしたことがある方がほとんどではないでしょうか。文字通り成長ホルモンは、成長促進作用があります。骨端軟骨の軟骨細胞を増殖させて骨の長軸方向への発育を促進させるだけではなく、筋肉や内臓器官の増殖・肥大なども促進させます。

他に成長ホルモンの作用としては、血中の糖と遊離脂肪酸を上昇させます。つまり、血中への糖の放出を促進し、脂肪組織からの脂肪を分解する作用です。この状態というのは、エネルギー産生に必要な栄養素が不足している状態と同様の働きです。

睡眠時は栄養を取らないので成長ホルモンが分泌されるのかは分かりませんが、睡眠を長くとれば取るほど身長は伸びるというのが医学の常識です。睡眠量と身長の高さは関係があるといわれるのは、骨端軟骨の軟骨細胞を増殖促進させるだけでも納得のいくところです。

運動や感覚は神経という道を使って情報を送りますが、ホルモンは血液中を通って情報を伝達します。そして、標的器官にのみ作用する特性があります。なので、発現する時間は神経ほど早くありません。神経に比べると少しのタイムラグが発生します。

人気アニメワンピースの、革命軍エンポリオ・イワンコフのホルホルの実はこのようなホルモンを自在に操るキャラでしたね。あらゆるホルモンを自在に操れたら個人の能力を余すことなく引き出せそうな気がします。

話がそれましたが、成長ホルモン睡眠時に分泌が促進されるので、成長期に睡眠不足が続くと成長ホルモンの分泌が減り身長を伸ばすためにはよくありません。余談ですが、練習に関しても睡眠が必要不可欠です。技術の習得は、練習をして眠ることによって上達するからです。眠っている間に脳は情報を整理し最適な状態にしてくれています。

骨の吸収と形成

骨は、骨梁という骨組みのようなものに、リン酸カルシウムやリン灰石などの無機質が、吸収と形成(壊して作って)を繰り返しながら骨の更新が行われ新骨が形成されています。これは種々のホルモンビタミンD重力や恒常的に加わる外力の影響を受けます。

一見すると壊して作ってを繰り返すと面倒くさそうで無意味な感じもしますが、それなりに理由もあります。まず骨はカルシウムの貯蔵庫になっている点です。ケガをして出血した時の修復や、筋肉を収縮させる際もカルシウムは必要です。

血液中は常に1%のカルシウムを保持しています。身体中の骨の約5%ほどは常に作り変えられていますが、これは血液中のカルシウム濃度を維持するためでもあります。このカルシウムの濃度を調節しているのも種々のホルモンです。

元K1選手の魔裟斗選手の脛骨(すね)は繰り返しのキックにより骨がカッチカチなのは有名なところです。刺激により骨は強固になります。

外力でいえば、骨端軟骨でも同様の作用が見受けられます。骨端軟骨は長軸方向に増殖(身長が伸びる)していきますが、長軸方向への外力、例えばジャンプして着地する時の衝撃などで骨端軟骨が刺激を受け、より軟骨質の増殖が促進されていきます。

バスケットボールの選手やバレーボールの選手が高身長なのは、外力による刺激が理由の一つです。あと、しっかりとした睡眠も忘れてはいけません。骨端軟骨が骨化してしまった(成長がとまった)後では、もちろん身長は伸びません。

カルシウム吸収に必要なもの

身長を伸ばすためにカルシウムを沢山摂ることはザックリと聞いたことはあると思います。ただ、ひたすらカルシウムだけを摂取しても身長は伸びません。

身長が伸びていくのは、骨端軟骨が増殖して軟骨が骨化することによりましたね。骨化とは石灰化と同じで、カルシウム、リン酸塩、マグネシウム、ストロンチウム、フッ素が沈着することによります。

カルシウムがどんどん沈着して石灰化されれば、軟骨は慌てて伸びようとしますよね。追うものより追われるものの立場ではないですが、骨化が進めば軟骨の増殖も進みます。

そこでカルシウムを吸収するために必要な物質がビタミンDです。

ビタミンDは皮膚にも蓄えられていて、7-デヒドロコレステロール(プロビタミンD3)に紫外線が照射されて作られます。ビタミンDは日光の十分な地方では体内で合成されますが、日光の乏しい地方では食事として摂取する必要があります。

詳しくは活性型ビタミンD3と呼ばれますが、腸や皮膚で得たビタミンDを肝臓と腎臓で活性型に変換してカルシウム吸収に活かされます。

ビタミンD代謝物は腸の細胞に作用して、カルシウムとリンの吸収を促進して、骨からはカルシウムとリンを遊離させます。

くる病は食物としてのカルシウム、リン酸不足が原因というより、ビタミンD不足により、腸からのカルシウムとリンの摂取量の不足が原因で起こる病気です。成人では骨軟化症と呼ばれます。

まとめ

解剖的には骨端軟骨から骨が伸びます。睡眠量が多ければ身長が伸びるのは、寝ている時に成長ホルモンが分泌されるためです。長軸方向の刺激で骨端軟骨が刺激されて、軟骨が増殖します。ビタミンDがカルシウムを吸収させます。

成長期は代謝が活発で、骨もどんどん入れ替わっています。食事量と睡眠量をなるべく多めにとって、太陽の光を沢山浴びながら運動をして骨に刺激を与えましょう。

特に睡眠不足は避けたいところです。運動面でも勉強面でも身長を伸ばすためにも好ましくありません。寝る子は育つとう言葉だけで、このページをパッケージ化できますね。まさに哲学的な言葉ですね。