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非感染性・関節疾患

腱鞘炎 ten〔d〕osynovitis《腱周囲炎;腱鞘滑膜炎》

腱鞘滑膜に炎症を起こしたもの。疼痛をきたす。機械的刺激によって起こることが多い。特に上肢の腱に好発し、手屈筋腱では腱の肥厚のため、ばね指現象を呈することがある。手根管では滑膜の肥厚のため手根管症候群の原因となることがある。長母指外転筋腱は橈骨茎状突起走行部で炎症を起こしやすく、これはde Quervain病とよばれる。初期で病状が軽いときには、外固定による局所の安静と、ステロイドホルモンの局所注入によって軽快する。長期にわたり症状が続くものでは、腱鞘切開術が行われる。


滑液包(嚢)炎 bursitis《粘液包(嚢)炎》

滑液包は生理的な潤滑装置であるが、病的な骨の突出部があると、生理的部位外にも発生する。滑液包に過剰な刺激が加わると、滑液包炎を起こし、疼痛、水腫を生じる。


ペルテス病 Perthes disease《若年性変形性骨軟骨炎》

成長期における大腿骨頭の阻血性壊死と、それに引き続いて起こる骨頭の扁平化を特徴とする。2~10歳の男児に好発し、15~20%が両側例である。通常股関節から大腿にかけての疼痛と跛行で気づかれることが多い。X線像では、大腿骨骨頭の骨硬化、分節化、部分的透明層の出現や扁平化を特徴とする。通常2~3年の経過で骨頭の扁平化を残し治癒する。治療には外転ギプスや外転装具など、股関節を外転位に保つことによって寛骨内に壊死骨頭を収納するcontain-ment therapyが中心となり、この目的のため大腿骨内反減捻骨切り術などの手術も行われる。


関節リウマチ articular rheumatism《リウマチ様関節炎;rheumatoid arthritis<RA>》

従来、RAは慢性関節リウマチと訳されていたが、2002年の日本リウマチ学会において関節リウマチに変更された。RAの病変の主座は関節滑膜で、病理学的には慢性滑膜炎を基本とし、病気の進行に伴い骨破壊性多関節炎をきたす。RAは関節以外の臓器も障害される全身性慢性炎症性疾患である。病院は不明であるが、7~8割の患者でIgGに対する自己抗体であるリウマトイド因子が陽性となることから、自己免疫の関与が示唆されている。膠原病の一疾患であるが、そのなかで最も有病率の高い疾患で、本邦では全人口の約1%である。30~50歳の女性に高頻度に発症し、男女比は1:3~5と女性に多い。また、遺伝的因子の関与も示唆されていて、特定のHLAのハプロタイプ(特にHLA DR4)との関連が指摘されている。


悪性関節リウマチ malignant rheuma-toid arthritis<MRA>

定型的あるいは確実的関節リウマチ患者のなかで、全身の小・中血管の血管炎を伴うもので、特に内臓器官に発生し重篤な症状をきたす予後不良の疾患である。悪性関節リウマチとして一般の関節リウマチと区別している。小血管炎によると思われる多発性神経炎、皮膚梗塞、指趾壊疽、上強膜炎、胸膜炎、心嚢炎、肺臓炎、皮下結節、紫斑、腸梗塞、心筋梗塞の一つまたは二つの症状のあるものをいう。


痛風 gout

プリン体代謝異常による高尿酸血症を基盤として、繰り返し起こる激烈な急性関節炎、腎障害を主症状とする疾患。成人男性に好発する。原発性痛風と種々に伴う連続性痛風に分類され、原発性痛風はさらに尿酸産生過剰型と、尿酸排泄障害型に分けられる。尿酸産生過剰型には、特発性のものと特定の酵素異常によるものが分類される。治療の原則は、血清尿酸値のコントロールであり、尿酸合成阻害剤や尿酸排泄促進剤などの尿酸低下剤が有効である。尿酸低下剤開発以前は尿毒症による死亡が多かったが、動脈硬化疾患の合併が問題である。


自己免疫疾患 autoimmune disease《自己アレルギー疾患autoallergic disease

自己の組織を構成する成分に反応する抗体、あるいはリンパ球が、持続的に産生されることによって炎症や組織傷害をきたす疾患。Roittによると、自己免疫疾患は、

  1. 臓器特異的自己免疫疾患(橋本病、自己免疫性溶血性貧血、交感性眼炎、天疱瘡、Goodpasture症候群、多発性硬化症など)
  2. 臓器非特異的あるいは全身性自己免疫疾患(全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、関節リウマチ、結節性多発動脈炎など)
に分類される。


血友病(症) hemophilia

血液凝固因子のうち、先天的に第VIII因子または第IX因子活性が低下しているため出血性素因をもたらす伴性劣性遺伝疾患。第VIII因子欠乏による血友病A(古典的血友病)、第IX因子欠乏による血友病B(Christmas病)が主なものであるが、第XI因子欠乏症を血友病Cともいう。関節内、筋肉内など、深部出血が特徴的で、出血の反復により血友病性関節症をみる。部分トロンボプラスチン時間(PTT)延長の有無でスクリーニングし、確定診断は各凝固因子定量による。根治治療法はないが、第VIII因子濃縮製剤や第IX因子欠乏にはプロトロンビン複合体製剤の補充療法により予後は著しく改善し、自己注射による自己管理も可能となりつつある。血友病Cの出血症状は一般に経度であり、補充療法の必要性は血友病A,Bに比較して少ない。


変形性関節症 osteoarhritis<OA>

単に関節症ということもある。関節に生じた退行変性で、先天性の形成不全、以前に罹患した疾病や外傷などの素因をもつ二次性のもの、老化による摩耗変性をきたす一次性のものに分けられる。一般に体重の負荷を受ける下肢の関節に発生しやすい。股関節では、先天性股関節脱臼やPerthes病のような、関節に変形を残す疾患に起こりやすい。膝関節では肥満や老化などの一次性関節症が多い。X線的には、関節裂隙が狭小化あるいは消失し、その周囲の骨硬化像や骨棘形成をみる。治療は運動の制限や消炎鎮痛剤の投与のほか、骨切り術や人工関節の置換が行われる。


離断性骨軟骨炎 osteochondritis dis-secans《野球肘;chipped elbow

関節面の関節軟骨と軟骨下骨組織が壊死に陥り、母床から離れて関節内遊離体となる疾患。1887年、F.Konig(外科、独)が初めて記載した。関節の凸面に発生し、好発部位は肘関節の上腕骨小頭、膝関節の大腿骨内顆外側面、足関節の距骨滑車、股関節で、大きさはふつう2㎝以下である。原因には外傷、体質的素因、血行障害などが考えられている。肘関節では10歳代の男子に多く、利き手に多い。殊に野球の投手に多い。膝関節では、小児期から青年期の男子に多く、足関節では20歳代に多い。初期には疼痛や不快感があり、運動により疼痛は増強する。遊離体が関節面間に嵌頓するとloking(関節の運動が一時的に不能となる)を生じ、激痛が起こる。X線像では初期には限局性の透明巣がみられ、しだいにその周辺の骨硬化像が出現し、透明巣の中央部に濃厚な骨陰影が現れる。完全に遊離すると骨硬化を伴った骨欠損像がみとめられる。初期には局所の安静、免荷などを行う。骨硬化部の穿孔や骨釘による骨片の固定あるいは摘出も行われるが、骨片摘出は変形性関節症の発生素地となる。


関節ねずみ joint mouse《関節遊離体;loose body

関節構成組織が関節腔内に遊離したもの。滑膜、軟骨、骨、米粒大起源があり、原疾患も炎症性、変形性、外傷性など種々である。